【2017年の講演】Global Mobility Serviceの中島徳至・社長

2017年に行われたGlobal Mobility Service(グローバルモビリティサービス、GMS)の中島徳至・社長の講演です。会社案内のプレゼンの後の質疑応答(Q&A)の動画と様子を紹介します。



【質疑応答】

Q:ソーシャルビジネスについて

背筋が伸びる思いで講演を聞いておりました。質問として、ご自身のビジネスの捉え方についてお伺いしたいのですが、ちょっと抽象的になってしまいますが、すごく思ったのが、ご自身の経験をおっしゃっていましたが、ソーシャルビジネスにすごく近いなと。

フィリピンの事例とかを持ち上げていて、聞いていたが、ソーシャルビジネスをやっている方は結構「ソーシャルビジネスをやっていますよと押し出す方が多いな」というのが私の経験です。ただ、中島徳至社長はソーシャルビジネスって単語を一言も言わなかった。ご自身のビジネスの捉え方として社会に還元するという理念があると思いますが、すごく新しいカタチだなと私は感じました。

社会への還元

その上で、今どういう形でビジネスを捉えていらっしゃるのか。それが、すごく気になります。よろしければ聞かせ願いたいと思います。

【中島GMS社長の回答】

素晴らしい質問をありがとうございます。

「僕たちがやらずして誰がやるんだ」

僕たちの仕事は、「僕たちがやらずして誰がやるんだ」ということ。要するに皆さんも世界いろいろな各地に行ったり、いろいろな方とお話したり、いろいろな会社のケースを学んだりしていると思います。これって私が解決しないと解決しない問題じゃないのと。

要するに、僕がやらなければ誰がやるのと。そこはすごいベースだと思う。それは僕は50歳になって、自分自身が人生をかけて毎日この事業に突っ込んで生活をしている。この背景があるわけじゃないですか。おそらくこのビジネス、あるいはこの人たちを救わないと、って思う人ってその背景があったと思うんですね。その背景はそれぞれ違うと思うが。

押し付けない起業家

だからやっぱりそこってビジネスをやるにおいて大事だし、根幹だ。自分はそうだけれども、社員はまた違うのではないか。それを押し付けるというのはできないと思う。僕が若い起業家だったら押し付けちゃったかもしれない。同じノリで、行こうぜと。

だけども僕はこんな年齢にもなったし、そういうことではなく、共有する、共鳴を得る。この中で輪を少しずつ少しずつ大きくしていくというのは、僕は社員だけではないと思うんですよ。

会社のリーダーと社会のリーダー

結局、会社のリーダー、社長は、会社ではすごくえらそうにできますよね。給料を与えていますし。だけど会社の社長は会社のリーダー、社会のリーダーと思うんですよ。会社のリーダーを超えて。社会のリーダーと考えた時に、コイツに社会のリーダーをやらせていていいのか。そう言われるようなリーダーにはなりたくないなって思った。

起業1社目(ゼロスポーツ)で法的整理

僕は1社目に起業した会社は法的整理というのをした。これはなかなか苦しかったですよ。でも社会のリーダーって考えたときに、子どもたち、学生から見たときに、僕の始末の仕方を見て、この人についていけるか、尊敬できるか、人間としてどうなのかという見られ方を、僕が逆に学生側だったらしますよ。

事業で失敗

だからそんな中で、逃げたり、都合が良いような処理をする、そういうことではなくて、やっぱり倒れる時には正面に倒れて、失敗したんだったら謝るところはしっかり謝って、その中で生きていく。

そのような、なんというか、うまく言えないが、リーダーであれば地域においても、当然会社の中とは違う見られ方をして、あの方だったらいいよね、変えてくれそうだね、これは大学からみても、業界団体からみてもそうかもしれない。そういうリーダー像というのは僕は20代からすごく意識していたんですね。

伝統的な自動車業界

なんでかというと、自動車業界という、すごく古く、トラディショナル(伝統的)な業界のなかで育てていただいた。そういう自動車業界の先輩方は役員の方は特に、役員を通じて社会が透けて見える方が多かった。今の自動車業界は昔に比べるとかなり減ってきたと思います。その役員から社会が透けて見える役員は減ってきたと思います。

ホンダの創業期

僕はホンダの創業期を学んだり、いろいろな方々とお酒を呑ませていただいたりした。まさに創業メンバーとお話をした時には、ホンダだとか1つの会社のこと以上に社会のことを考えてられている方が多かった。すごくスケールを感じたし、ダイナミックさも感じた。すごくカッコいいなと思った。年齢は僕のおじいさんくらいの年齢から学びました。やっぱりこういう大人になりたいなと、20代のころ、30代の頭の頃はすごく感じました。